アクアマリンふくしまへ行ってきた

きっかけはid:tetzlさんのエントリを見たことだった。
よみがえれ。 - tetzlgraph てつるぐらふ


アクアマリンふくしま
3/11の地震津波で,壊滅的な被害を受けた水族館。


7/15の再開に向けて頑張る復興日記を読み,再オープンした模様をつづったエントリ(2011 東北旅行 その4 アクアマリンふくしま - tetzlgraph てつるぐらふよみがえったアクアマリンふくしまに行ってきた。- かくいうもの)を読んで,とても行きたくなってしまった。


三連休の最後の日(7/18)にぽっかり時間ができたので,行ってみよう!と決意して車を走らせた。
私にとっては,はじめましての訪問。どんな水族館なんだろう。


着いたのは午後三時。遅くなったが,まだまだ賑わっている。
早く早く!と急かす子供たち。


入り口には,再開を祝うたくさんの花々。


はじめまして。出迎えてくれたのは,シーラカンスのアート。


入り口を入ってすぐのところに,年間パスポートの窓口があった。
せっかくなので作ってみる。・・・というところまではツイートしたのだけれど,その後は熱中してしまった。







近づいて撮影しているから大きさが分かりにくいけれど,小さな個体が多かった。調達するの,大変だったろうな。
以前からよく来ていたのであろう親子の会話が聞こえた。
「前にいた大きいの,どこいったの?」
地震でどっか行っちゃったんだよ」
・・・せつない。


でも,他の水族館で保護してもらったものたちもいて,
「わー,ここのはいるねえ!」
と子供たちが歓声をあげていた。


シーサーを発見。

かまれちゃうんですか・・・むしろ手を突っ込みたい誘惑にかられる。


植物の展示がしっかりしてあることに驚いた。
熱帯のゾーンはきちんと熱帯らしく設えてある。


マングローブのゾーンでは,マングローブの根が水槽まで届き,地上部の生態と水面下の生態がみられるようになっていた。暗くなりがちな屋内で維持するのは大変だろう。実際,他所の水族館では造花が用いられていてがっかりしたことがある。水面下では,本当に小さな,小指の先ほどのサイズの魚がマングローブの根をつついていた。


海も川も湖沼も,そこに住まう生き物たちも,独立してそこにいる訳ではなく,地上部の生態と繋がっている。それを感じさせてくれる,子供たちに説明できる仕様になっているのは,大事なことだと思う。


そして,人が関わる里山もまた多様性の高いゾーンであることをきちんと説明している。
外でのビオトープ里山ゾーンと砂浜ゾーンがある。


途中の休憩ゾーンに盆栽があった。極めて人工的であるけれど,奥底に流れる思想は外のビオトープと同じ。


砂浜ゾーン(蛇の目ビーチ)には入ってみたかったのだけれど,夕方6時をまわっていて,スタッフさんたちしかいなかったので恥ずかしくてやめておいた。また今度ね。

代わりに,スタッフさんに話しかけてみた。
「ここも津波の被害がありました?」
「はい,砂も岩も流されてしまって,砂は真っ平らになってしまったし,岩はほとんど端に寄っていたんですよ。真っ平らの状態から起伏のある地形にするため,再開の直前まで作業してました(笑)」
「そ・・・それは大変でしたね・・・あちらのスタッフさんたちは何の作業をしてるんですか?」
「三連休でアクアマリンえっぐの魚が釣られすぎたので,ちょっと補給をね(笑)」

ひとしきりお話ししたあと,「また来ますね」と挨拶したら,「ぜひいらしてください」と返して頂いた。
なんだかほのぼの。


里山ゾーンも津波を被ったそうだが,特に植え替えてはいないとのことだった。
はて,それほど塩害に強い種ばかりにも見えないのだけれど。



感謝のメッセージを掲げている。バックアップしてくれた他の水族館からのメッセージと,よみがえるのを待っていてくれたお客さんたちのメッセージも。



展示自体はとても美しい状態だけれど,窓の外の地面は波打っていた。

アスファルトもはげ,分厚いアクリルの壁も破壊された。その恐ろしさと,そこからよみがえったことを忘れないための記念碑。

車を運転していって分かったが,橋と道路の間にはかなりの段差がある。工事で埋めてあるが,早いスピードでは危ないところもあった。インターを降りてから通った工場地帯の道路には,大きな陥没,アスファルトがはげたままの部分,なぎ倒されて枯れた街路樹がみられた。アクアマリンふくしまの前の道路の信号は,止まったまま。改めて,地震津波の恐ろしさと,その被害のひどさを痛感する。本当に,こんな状態からよく再開できたものだ。



たっぷり堪能して遅くなった。

でも,バックヤードツアーもアクアマリンえっぐも時間が遅くて見られなかった。悔しい。


また来るからね。