科研費申請


先日の星生山登山中に見えた小さな沼。



科研費の申請書を作成している。もうすぐ締め切りなのだがまだまだ書き切れていない。たかだか4ページの「研究の背景」と「「研究計画」にこれほど苦しめられるとは...


この科研費の仮締め切りが3週間前にあった。そのときも散々考えて書き上げたのだが,もっとブラッシュアップするようにというコメントがついて,現在はちょっと違う切り口で進めている。頭の中のもやっとしたアイディアを取り出して,納得行くように,かつ他人から見てこれは重要だと思えるように書かなくてはならない。これがなかなかしんどくて,はかどらない。
言うなれば,論文を書く前にアブストラクトを書くようなものだろうか。


実は,科研費を申請出すのはこれが初めて。
今までは社会人学生をしていて資格がなかった。その前は別の競争的資金の共同研究者に入れてもらっていて,それをこなすのが精一杯だった・・・ということもあるが,一番大きい理由は,いずれ3年間育児休暇を取りたいと思っていたこと。科研費を取得したあと,育児休暇として休止することはできる。しかし,その期間は1年間しかない。科研費の研究期間は2〜4年だから,その期間中に妊娠する可能性は高い。そのため,申請自体をしてこなかった。


申請を出す気になったのは,人様の申請書を眺めていたときに「育児休暇のため中止」という記述を見つけたこと。今考えると,なぜそういう発想にならなかったのか不思議だが,そうか中止するっていうことができるんだ(当たり前だろうと自分に突っ込みたい・・・orz)と納得した。
で,春に申請書を一つ書き,見事に外れ,今科研費の申請書を書いているところ。


春に申請した競争的資金はめちゃくちゃレベルが高かったが,大学院の師匠からは「無謀でもいいから書け,下地になるし書けば書くほど練り込まれてくる」とアドバイスを受けた。時間を投じて書いて外れるって,その時間を無駄にしたような気もするのだけれど,研究背景のネタを調べるときに知識の幅が広がったと思う。博士号を書いているときは,狭い世界を深く潜っていたけれど,今はそこを軸にして世界を広げている感じ。


きついけれどこの時間が実りあるものとなりますように。

国際学会

ごはんだけで記録するのもなんなので,学会のことも多少は残しておこう。



welcome party. 立食でワイン,ビール,ソフトドリンクが供される。(見えないが)食べ物がかなり豊富。アルコールがあっという間になくなり,次に出てきたのは水(笑)。水かよー!と思わずつっこむ。
普通,学会の懇親会で出される料理は貧相。その割に4〜5千円は取られるのでたいてい不評。今回料理が豊富だったのは,そのあたりの不評に対応してのことではないかと憶測が流れていた。しかしここまで飲み物が少ないのもどうなんだ。私は飲む方ではないが,それでも少ないと感じるということは,飲み助な外国の方々には絶対物足りないに違いない(と勝手に憶測)。
着て行く服装が分からず,かっちりめのジャケットにスカートといういでたちで行ったが,まるで普段着という方々も多かった。スーツ着ている方もいないわけではないが,まあどっちでもいいんだろうね。



韓国の研究所の展示ブースで見かけたマツノザイセンチュウの展示。韓国でもマツ枯れは問題になっていて,主に薬剤散布と倒伐駆除による防除に力を入れている。しかしじわじわと被害が北上中。2000年以降,被害量が急激に増加しているという発表もあった。被害が少なく推移する段階から,対処が追いつかずに劇的に増える段階への移行期ではないかと研究者と話す。


今回はポスターでの発表を行ったが,あまり人が聞きに来なくて残念だったorz
日本ではポスターのコアタイムにはほとんどの人がちゃんとポスターの前に立って,質問者に応対するものだが,海外の学会ではそうでもないらしい。コアタイムにも関わらず人も少なかった...次からはオーラルかなー...自信ないけど。



学会中のツアーに参加。バスの数が多い!
研究所が行っているマツ林の調査地へのツアーを選択。韓国では,マツが主要な造林樹種。日本でいうスギにあたるほど一般的なのだそうだ。日本と同じ種のアカマツクロマツが植栽されいてる。同じなのは当然で,植民地時代に日本人が植えたと聞く。



アーバスに乗り込むと,こんな小袋を渡された。中にはみかん,ビスケット他お菓子が多数。・・・まさか,これが昼食っていうんじゃないだろうね・・・。他の参加者も同じように思ったようで,ガイドさんに尋ねていた。答えはNoでほっとする。ポスターのコアタイムがある日には昼食がついていたのだが,渡されたランチボックスにはクロワッサンとクッキーだったので,つい連想してしまった。それはそれとして,小袋可愛い。お土産売り場で,一枚200円ほどで売られていたので,女性用のお土産に購入。



ツアーで立ち寄った植物園に木材が展示してあった。心材の色が多様で興味深い。



チョウセンゴヨウの種子を取るための研究所を見学。球果が大きい。大きいのも当然で,育種されているそうだ。日本でも中華用の食材売り場にある「松の実」は,この樹種の種子。平地に一定間隔で植栽され,高さが制限されていた。韓国では比較的北部に分布している種。



歴史ある庭園にアカマツが配置されている。京都のお寺に雰囲気が似ている。もっとも,京都近辺の松林は壊滅的なダメージを受けているけれど・・・。ソウルは比較的緯度が高いので,まだマツ材線虫病が北上しきっていないけれど,時間の問題かもしれない。この美しい景色が損なわれませんように。



帰国する飛行機の中から見えた対馬列島。


韓国は思ったよりも近く,福岡→ソウルで1時間しかかからなかった。東京より早い・・・しかもチケットは往復で2万円台のものもあった(大韓航空)。日本語が通じる箇所も多く,英語で話しかけて日本語で返されることも(笑)もっと気軽に訪問していいと思える国だった。

韓国ごはん

学会のことを書こうと思いつつ,あれは書けない,これは書けないと悩んで放置しているうちに2ヶ月も経ってしまった。しかし記録はしておきたい・・・ということで,最も問題なさそうなごはんネタに走ることにした。



定番のビビンバ。韓国といえば焼き肉が有名だが,日本と同じように野菜もたくさん食べられる。このビビンバも野菜がたっぷり乗っていた。きゅうりのサイズが大きいのに驚く。きゅうりは細切りにしてスープに入っていたり,炒め物に使われていたりと,熱を通す食べ方が多いようだ。



会場近くのフードコートでお昼ご飯を食べることが多かった。フードコードでは,メニューにはメインの料理の名前しか書いてなくても,たいていキムチやナムルの小皿が付いてきた。水餃子を頼んだら,小皿が3つ。にらのキムチ,たけのこの水キムチ(?),白菜のキムチ。さすがキムチの国。唐辛子の消費が半端じゃない。まんなかの小皿にも,しっかり青唐辛子が入っている。申し訳ないがひどい目に遭いたくないので食べ残した。青唐辛子は現地の方が生でかじるそうで,真似した同僚が悶絶したそうな。



辛いものはいくらでもあったが,一番辛かったのがこれ,トッポギ。細長い餅に甘辛いソースがからめてあるのだが,当然のように激辛。ソースにはとろみが付いている上に,餅だからもっちもっちと口の中で広がってぎゃああああ。逃げ場がなくて辛かったorz 一緒に食べてた日本人は,みな涙目。



一週間以上滞在していたのにサンゲタンを食べることができず,空港で探し回ったがなかった。残念。かわりにカルビスープを頂く。骨付きカルビが短く切られて,骨髄から出汁が出ている。肉々しいかと思いきや,野菜たっぷりで滋味溢れる優しいお味。風邪の時にいいかも。



もちろんこれにも小皿が付いてくる。きゅうりの漬物,イカと大根の煮物,青菜のナムルに白菜のキムチ。最初から最後までキムチ付きの韓国ごはんでした。

秋のくじゅう連山ー星生山


秋晴れの中,ハイキングに出かけた。阿蘇を通り抜けてくじゅう連山へ。南の外輪山から眺める阿蘇山は,お釈迦様が横たわった姿に似ていることから,涅槃像と呼ばれる。



登山開始が11時と遅かったので,スタートの標高が高い牧ノ戸峠から登ることにする。かなり車の台数が多く,パーキングから車が溢れていた。



今回は負荷をかけながら登ろうと思いつつ・・・こんな花が咲いているとついつい止まってしまうのだった。



高さ200mを一気登りしたあと,なだらかな尾根線のルートが続く。



燃える火のような,鮮やかな赤の紅葉に出会う。これはドウダンツツジ



足下を見たらマイヅルソウが枯れていた。赤い実が印象的。



1時間弱で星生山へのルートへの分岐点に到達。ごつごつした岩山が紅葉に彩られていて美しい。いつもは脇の平坦なルートを通って久住山を目指すのだけれど,今日はこっちに登ってみることにした。



ドウダンツツジのトンネルができていた。誰が切り開いたのだろう。



登りながら見上げる。青空と紅葉のコントラストが美しい。



緑色の植物はビャクシン。公園や街路樹でよく植わっているが,山で見かけるのは珍しい。



星生山山頂に到着。ロマンティックな名前だと思っていたが,背後には硫黄山からの吹き出しが間近に見えてワイルドな眺め。



鞍部にさしかかると,硫黄の匂いが流れてきた。この谷から風が吹き上がってくるのだろう。足下は軽石の表土。さすがにこんな所には植生は見当たらない。



巨大な岩石の山を下りていく。岩には手をかけられる窪みが多数あった。なんという種類の岩なのか。なぜ窪んでいるのか。専門外で全然分からないが,そんなことを考えるのは好き。あとで調べてみよう。



久住分かれへ降りていく途中にあやしいカメラを発見。何を観測しているのかな?



険しいとは思ったけどここまでとは思わなかった・・・


写真を撮ったり休憩している間に,かなりの時間が経ってしまった。この時点で2時。今回は久住分かれで引き返すことにした。



右手に見えるのが登りのルート。帰りは平原を歩くだけ。



下山して,外輪山をドライブ中に出会った景色。一面に広がるススキが,茜色に染まっていた。



さあ,おうちに帰ろう。

帰国!


今日の一枚:韓国の地下鉄。座席がステンレスです。座っているお嬢さんが長靴履いていますが,履いている方はよく見かけました。とても雨が多く,水溜まりだらけだから?



韓国へ国際学会に行ってきました。
みっちりと月曜日から土曜日まで!
日曜が移動日でしたので,月曜と火曜に休みを頂きました♪

分野の近い人に英文校正をしてもらう方法

英文校正,高い料金を払ったのに,些細な部分しか直してくれなかったり,そもそも分野が違っていて見当外れな訳になってしまったり,言い回しを変えて欲しいのにそのまま愚直な文のままで戻ってきたり・・・という失敗はありませんか?


私はあります。その度に,がっかりしてきました。せめて同じ分野の人が見てくれればな,というのはいつも思うことです。


今回,初めて国際学会のポスターを作ったわけなのですが。
なるべく分野の近い人に,できれば口頭でやりとりしながら,校正をしてもらいたいと考えました。本来は,同じ分野でネイティブの知り合いがいれば,その方に見てもらうのが一番です。しかし,そのような知り合いがいる訳もありません,なにせ初めての国際学会なのですから。


そんな訳で,今回私が取った方法は。


スカイプでやりとりする英会話の先生に見てもらうこと,です。


英会話教室のシステムにもよると思うのですが,私が選択した会社では,先生のプロフィールに大学の学部が含まれていました。さらに,先生の中には自分の研究を簡単に紹介している方もいらっしゃいました。
そして教室のシステムにこんな一文を発見。
「最もお勧めするのは,生徒様ご自身でご希望の教材をお選びになることです」


これを利用しない手はないと考え,出来上がったポスターをスカイプの画面共有で映し出し(ファイルを送ることも可),チェックして頂きました。もちろん,前もって講師のプロフィールを読んで,分野がかなり近い人を見つけ出してあります。

結果としては・・・
・簡単な用語のミスを洗い出すのは完璧
・こんなんでいいのかー??と自信がない部分もOKと言われて安心する
・もっといい言い回しはないのかと相談できる


ただし,お相手は大学の学生さんか卒業生。もしかすると学会発表をしたことがない可能性もあります。しかし,過大な期待をかけすぎず,本来の英文校正の下準備とするならとても有効な方法だと思いました。

学会のポスターを作りました

夜遅くまでかかって学会のポスターを仕上げました。
実質一週間くらいかかったかな。
いろいろな方々の助けを得て,ようやく英文校正に出しました(詳細は後日)。

一仕事終わった後のビールは格別!
・・・最近行動がオヤジ化しているのはきっと気のせいです。